マイナビ転職、「新入社員の意識調査(2023年)」を発表(23.8.21)

(株)マイナビ(東京・千代田区、土屋芳明社長)が運営する総合転職情報サイト『マイナビ転職』(https://tenshoku.mynavi.jp/)は、2023年に新卒入社した男女(新入社員)800名を対象に行った「新入社員の意識調査(2023年)」の結果を発表した。本調査では、新入社員の将来への危機感や勤続意向などが明らかになった。


【調査結果の概要】
新入社員に対して、今の会社が何年後まであると思うかを聞いたところ、「20年以上」は49.9%と約半数となり、今の職務内容でも「20年以上」は40.5%となった。特に「IT」「技能工・物流・配送」「経理・事務・企画」などでは「10年以下」が3割を超えた。DXや生成AIの出現をはじめ、社会が変化していくなかで今後も同じように働き続けることができるのか、不安を感じている様子がうかがえる。一方「医療・福祉・教育」では「20年以上」が66.4%と、全体平均よりも25.9pt高い結果となった。少子高齢化の影響もあり今後も継続してニーズがあると感じているようだ。【図1、2-1、2-2】


【図1】Q.今の会社は何年後くらいまであると思う?(2023年新卒新入社員 n=800)


【図2-1】Q.今の仕事は何年後くらいまであると思う?(2023年新卒新入社員 n=800)


【図2-2】Q.今の職種内容は、何年後くらいまであると思う?

新入社員の勤続意向年数は「3年以内」が24.1%、「10年以内」では49.1%となった。男女別に勤続意向年数をみると「3年以内」と答えたのは、男性が18.3%、女性が30.0%となった。10年以内に離職を考えている人に今の会社で働き続けない理由を聞くと、「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから」で、男性が20.9%に対し女性が41.6%と約2倍の結果になり、出産など自身の環境変化への対応差が感じられる。【図3、4】


【図3】Q.今の会社であと何年くらい働くと思いますか?


【図4】Q.今の会社で、ずっと(長く)働くと思わない理由は?

現在の月収別に勤続意向年数をみると、「月収18万円以下」では「3年以内」が36.7%で最多となった。「月収22万円~24万円台」では「10年以上」が37.1%で最も多く、給与が勤続意向に一定の影響を与えることがうかがえた。【図5】


【図5】Q.今の会社であと何年ぐらい働くと思いますか?(直近の月収別)


【総評】
新入社員の半数が10年以内に退職意向というのは例年通りの傾向ですが、今年は「給与」「社会の変化」への不安も顕著になりました。特に、20年後の自身が40代になる頃に「会社が存続しているのか」「どんな仕事をしているのか」想像がつかないというのは、上司先輩世代が新人の頃に抱いていた焦りとは異なるものかもしれません。

また「今の会社で定年まで働く予定」が2割を切っていることを考えると、「他社でも通用する人材にならなければ」「仕事(収入手段)を失わないためにどうすべきか」という焦りや危機感を覚えることも想像がつきます。

そんな彼らの定着には「寄り添い、不安を払拭するコミュニケーション」がますます重要になります。業務だけでなく今後のキャリアを相談できる関係性を築くために、コミュニケーション量を増やし話し掛けやすい雰囲気を作る、「1on1」や定期面談を実施していくなど、身近なところから始めてみてはいかがでしょうか。

『マイナビ転職』編集長 荻田泰夫

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