J SPORTS VRがライブ配信機能対応へ 一歩進んだ新機能も検討中(後編)

スポーツテレビ局「J SPORTS」((株)ジェイ・スポーツ、東京・江東区、木下伸社長)が4月28日にリリースしたオリジナルVRアプリ「J SPORTS VR」(iOS/Android向け)。前編ではその概要やコンテンツ制作、近日対応予定のライブ配信機能などについて紹介した。後編では現在検討中のVRバーチャル空間内での新たなコミュニケーション機能などに迫っていく。

▼前編の記事は→こちら

「J SPORTS VR」が検討中の新機能のデモ

VR空間で他ユーザーとライブ映像を視聴できる機能を検討中

J SPORTS VRでは現在、ユーザーがVRバーチャル空間内で、アバターを通じてコミュニケーションをとりながらスポーツ中継を観戦できる機能の追加も検討している。

この機能では、J SPORTS VRのシアターモード内に各ユーザーのアバターを表示。ユーザーはVRバーチャル空間内を自由に移動できるほか、他ユーザーとの会話、アバター同士のハイタッチ等のコミュニケーションを行えるようになる。つまりVRバーチャル空間を他ユーザーと共有しつつ、一緒にスポーツ観戦を楽しめるようになる機能だ。

J SPORTS VRの開発を手掛ける(株)VRize(東京・港区)代表取締役の正田英之氏は「海外ではソーシャルアバターの同期するVR空間でのスポーツ観戦や映像視聴が広がっている」と話す。すでに米FOX SPORTSはライブVR動画配信プラットフォームを開発するスタートアップ企業・LIVELIKEと提携し、VR空間をユーザー同士で共有しながらスポーツを視聴できるアプリをリリース。今後こうした動きは加速していくかもしれない。

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新機能のメディア体験会を開催 アバター同士が自然に同期

5月27日にはVRizeのオフィスで、メディア向けにJ SPORTS VRでのアバター視聴機能の体験会が行われた。

体験会ではVRデバイスとしてOculus Riftを使用。実際にJ SPORTS VRのシアターモード内で、当日行われていたスーパーラグビー「サンウルブズ vs チーターズ」の試合のライブ映像を視聴しつつ、コントローラ「Oculus Touch」で自分のアバターを操作してVRバーチャル空間を移動したり、他ユーザーとハイタッチを交わしたりといった動作もできるようになっていた。まだ開発中の段階なのでアバター等の作りこみは行われていなかったが、アバター同士の同期に特に違和感はなく、今後のブラッシュアップに期待の持てる内容となっていた(デモの様子は下記動画を参照)。

「ユーザー同士でのスポーツ観戦も楽しいでしょうが、たとえばスポーツの解説者にVR空間内に登場してもらい、解説者とユーザーがコミュニケーションしながら同じスポーツを観戦するのも面白いのではないか」と、VRize COO 事業推進責任者の中村拓哉氏は新機能の使い方を提案。スポーツ選手や番組出演者とユーザーが交流する場としても活用できそうだ。

開発スピードに関して正田氏は「VR空間内でのソーシャルアバターの同期とライブ配信を組み合わせる技術は、日本ではまだ弊社しか持っていないので、手探りで開発している状況です」と説明する。開発状況はまだ実験的な段階で一般向けリリースの予定は立っていないが、今秋をめどにコミュニケーション機能などを強化した新たなバージョンを披露したい考えだ。

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当面はプロモーション利用だが、マネタイズ方法も模索

VRでのスポーツ観戦で新たな展開を目指すJ SPORTS VR。J SPORTSでは、このアプリの事業化をどのように図っていくのだろうか。

ジェイ・スポーツ マーケティング部 WEBチーム チームリーダーの中村利絵氏は「当面はプロモーション利用が中心となりますが、マネタイズ方法では、たとえばアプリ内でのコンテンツ課金や、VR広告を提供するような方法が考えられます。実際、すでにVRコンテンツをお持ちの企業がJ SPORTS VRに興味を持たれていると、弊社の広告営業担当から話を聞いていますので、クライアント企業のVRコンテンツ体験会をJ SPORTS VRで行うような方向性もあるでしょう。また(動画配信サービスの)J SPORTSオンデマンドと連携し、J SPORTSオンデマンド加入者のみが視聴できるVRコンテンツを提供することで、J SPORTSオンデマンドの加入獲得を図る方法もあると思います」と話す。VRizeではすでにVRアプリ内に広告を埋め込むサービスを展開しており、VRバーチャル空間内でCGオブジェクトによるプロダクトプレイスメントを行う考えもあるという。

VRによる新たなスポーツ観戦とビジネスの形を模索するJ SPORTS。開局20周年を機にした新たな挑戦がどう花開いていくのか、注目したい。


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