スカパー、18年度通期決算発表。前年同期比、増収減益に(19.5.9)

(株)スカパーJSATホールディングス(東京・港区、米倉英一社長)は5月9日、2018年度通期の決算説明会を開催した。決算発表は次の通り。※( )内は前年同期比。
<2018年度 通期連結決算(前年比)>
▼営業収益=1,640億1,400万円(+12.7%)▼営業利益=152億9,000万円(-2.3%)▼経常利益=166億4,000万円(-0.4%)▼親会社株主に帰属する当期純利益=96億8,100万円(-14.7%)
営業収益は、防衛省向け衛星引渡し等により185億円(12.7%)増加。営業利益は、営業費用の削減に取り組むも、視聴領収入の減少を補えず、4億円(2.3%)減益。
<セグメント別 連結業績(累計)>(
メディア事業:▼営業収益=1,014億9,500万円 ▼営業利益=25億2,800万円
宇宙事業:▼営業収益=733億8,900万円 ▼営業利益=134億3,8000万円
メディア事業は、視聴料収入減少、東京メディアセンターの減価償却費増により減益。宇宙事業は、新4K衛星放送開始に伴う放送トランスポンダ収入増加により営業収増となった。
メディア事業の加入者減少に伴う視聴料収入減により、前年同期比、減収減益となった。
続いて、2019年度連結業績予想を次の通り発表した。
<2019年度 連結業績決算予想>
▼営業収益=1,435億円(-12.5%)▼営業利益=150億円(-1.9%)▼経常利益=155億円(-6.%)▼親会社株主に帰属する当期純利益=100億円(+3.3%)
2019年度は、防衛省向け衛星引渡しの剥落等により、前年度比、減収増益。
<2019年度 セグメント別業績予想>
メディア事業:▼営業収益=1,015億円 ▼営業費用=985億円 ▼営業利益=30億円
宇宙事業:▼営業収益=538億円 ▼営業費用=413億円 ▼営業利益=125億円
メディア事業は、継続的な利益増加に向けた改革に取り組む。宇宙事業は、2019年度下期に打ち上げ予定のJCSAT-17、JCSAT-18によりアジアを中心としたグローバル・モバイル市場への展開、加えて、従来の大型衛星およびHTSに加え、小型衛星(画像撮影)、光データ中継衛星(エアバス社と提携)、成層圏プラットフォーム(STRAPS)と新規事業に取り組み、5G時代における成長戦略を計画している。
加えて、米倉社長は、 2019年度の新たな事業として情報銀行プラットフォーム『スカパー!情報銀行』共同研究および実証実験の開始を発表した。(株)DataSign(東京・渋谷区、太田 祐一代表取締役)、(株)サイバー・コミュニケーションズ(東京・中央区、新澤明男代表取締役、以下CCI)、(株)インテージ(東京・千代田区、檜垣歩代表取締役)との共同研究で、2019年7月より実証実験を開始するとしている。
『スカパー!情報銀行』は、スカパー!契約者の一部の方を対象としたモニター参加形式で実施。データ登録・開示に任意で同意したモニターを対象に、開示データに基づき個別推奨されるスカパー!の番組情報やデータ活用企業からの関連商品・サービス情報を提供し、また、スカパー! 視聴料としても還元する。インテージが保有するモニターのうちスカパー!契約者をモニター対象とし、モニター参加者自身のパーソナルデータを管理・活用できるPDS(パーソナルデータストア)機能を内蔵したDataSign開発の情報銀行サービス「paspit」(パスピット)と連携させることで、データ活用企業との情報連携・流通を管理する。また、CCIがデータを活用する企業のメリットを最大化するように広告運用し、企業はそのデータを基にした生活者理解やOne to Oneマーケティングの高度化によって個々人に最適な情報を提供し、個人が享受できるメリットの見える化・最大化を目指すとしている。