WOWOW、18年度売上高は過去最高を更新、13期連続の正味加入件数純増を達成(19.5.15)

「WOWOW」((株)WOWOW、東京・港区、田中晃社長)は、5月15日にWOWOW本社で会見を開き、2018年度決算の詳細と、19年度の事業計画を発表した。
連結収支については、前期比増収減益となり、売上高は過去最高を更新した。WOWOWの累計正味加入件数は2018年度末(19年3月末)時点で290万1,000件となり、年度末としては過去最高に到達。テニスの大坂なおみによるグランドスラム2大会連続優勝の達成、安室奈美恵、東方神起、B’z等の大型音楽ライブなどが、新規加入に大きく貢献した。
2018年度のハイライトとしては、2018年12月に「ネット同時配信」を開始したことが示された。さらに、2019年2月には「Paravi WOWOWプラン」がスタート。これにより、WOWOWメンバーズオンデマンド(加入者限定サービス)から、スマホやタブレットによるWOWOWへの接触者・接触時間が増加し、新規加入にもつながっているという。
なお、2018年度決算の収支(連結)は以下の通り。※( )内は前年同期比
▼売上高=826億2,300万円(101.3%)▼営業利益=67億7,790万円(68.6%)▼経常利益=75億3,100万円(70.4%)▼親会社株主に帰属する純利益=51億8,200万円(70.4%)
累計正味加入件数の増加等により、売上高が前期比増、経常利益は、戦略的なコンテンツ強化による番組費の増加等により、前期比減益となった。1株当たり期末配当金は、継続的な安定配当を担う基本方針のもと、当初の予想通り80円となっている。
2019年度事業計画では、中期経営計画で示した基本戦略を引き続き推進し、「総合エンターテインメント・メディアグループ」への進化に向けて、4つの重点施策を示した。①徹底的なコンテンツの差別化(オリジナルコンテンツの質と量の強化、新規加入獲得や加入維持に資するコンテンツのラインナップ)、②収益拡大施策の推進(新規加入ルートの開発による視聴料収入の増加、コンテンツのマルチユースの促進や付帯事業の拡大)、③ICT(情報通信技術)施策の推進(「ネット同時配信」を主軸とした、WOWOWメンバーズオンデマンドの充実、ICTを活用したネット関連施策の推進)、④WOWOWグループとしての成長(業務改革の推進によるグループ経営体制の再構築、働き方改革推進による、グループ全体でコミュニケーション改革)。
2019年度加入計画は、新規加入件数61万件、解約件数58万件、正味加入件数3万件の純増、累計正味加入件数293万1,000件とし、14期連続の正味加入件数純増を目指す。2019年度収支は増収増益を計画。連結売上高は、視聴料収入の増加等により増収の見込み。経常利益は減価償却費が増加するものの、前期に計上した退職給付金の計算方法(「簡便法」から「原則法」に)変更により、給付費用の前期上乗せ分がなくなることに加えて、スクラップ&ビルドによるコスト削減と効率化を図ることで増益を目指す。番組費は、単体の売上高に占める割合として、前期と同水準の約40%を見込む。想定為替レートは1ドル115円。
また、会見当日に行われた取締役では、取締役と監査役の人事が内定した。6月20日に開催予定の定時株主総会における承認をもって、正式に決定する予定。
田中社長は会見の最後で、有料放送事業を取り巻く環境が急激に変化していることを示し、「当社はコンテンツが命の会社。新体制のもと、より強力で魅力的なコンテンツを提供し、愛される、信頼されるWOWOWを持続していきたい」と述べた。

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