長野県大町市が生成AI、ロボットを活用した新たな教育を展開(23.11.20)

長野県の大町市(牛越徹市長)は、ICT学習活動推進協議会を産学連携で立ち上げ、自治体や地元企業、地域ボランティアが主体となり継続可能な「地域が支える教育」を推進する。今年度は、生成AIを利用した「人工知能のリテラシー教育」とロボットを利用した「プログラミング教育」を実施した。

本事業は、小学生を対象としたプログミングによる「論理的思考力」や「自主性」「協調性」「課題解決力」「表現力」の向上および地域の応援隊をつくるためのカリキュラム構成を目的とする。児童が将来、都会や海外で活躍するために地元を離れたとしても、郷土愛を持つことによる大町市への応援や支援を意識し、記憶に残る教育を目指したという。さらに、AI(人工知能)が飛躍的なスピードで進展する中、まずは利用するリスクと利便性に気付けるよう促し、正しく利用するために必要となるスキルは何か、そのスキルを向上させるためには何を努力すればいいのか、といった教育を今年度より追加した。

教育後、小学生に実施したアンケートでは、90%以上がAIの得意分野と不得意分野、利用するにあたって注意すべきことについて理解できたと回答。今後も教育を受けたいとの意見も90%以上と、興味を持ってもらったことから、有効な教育だったとしている。

教育内容

1.プログラミング教育

クロスカリキュラムの目標として、「食」「観光」「歴史」「アクティビティ」をテーマに大町市の魅力を発信するプログラムを作成。児童は、数人のチームで組み立てたストーリーに沿った画像や動画をプログラムに組み込み、見てもらう人に分かりやすいようロボットに動作や発話の機能を加え、クイズも出題できるプログラミングを行った。

2.AIリテラシー教育

「生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」に沿って小学生に分かりやすい言葉とイラストで説明。特に生成AIは多大な利便性がある反面、様々なリスクが潜在することの理解を促すとともに、将来、社会で一般的なツールとなるAIを正しく理解し使いこなすためのスキル向上の学習例などを説明。
体験実習では、生成AIが「本当のように嘘をつく」ことを体験した後、利便性として、今まで数日かかっていた絵本の動画を数分で作成してもらった。また、その絵本動画は期間限定でYouTubeに掲載し、作品を家族や知人に見てもらうことで達成感を得られるようにした。