日本テレビ、AIモザイクソフト「BlurOn」(ブラーオン)が放送文化基金賞で放送技術部門を受賞(23.6.7)
日本テレビ放送網(株)(東京・港区、石澤 顕社長)は、(公財)放送文化基金で、第49回放送文化基金賞を受賞した。
この賞は毎年、放送に関連する技術の研究・開発、あるいは放送現場での工夫・考案で効果を上げた技術により、顕著な業績を残した個人またはグループを対象に授与されるもの。
日本テレビでは、今後も積極的な新技術の導入により、魅力的なコンテンツを提供できるよう更なる開発を進めていく方針だ。
テレビ番組の映像において、個人情報保護・プライバシー保護の観点から通行人の顔などに「モザイク入れ」の編集が必要な場合があるが、1分の映像へのモザイク入れで1時間以上かかることがあるなど、制作現場の大きな負担となっていた。その課題を解決するために日本テレビとNTTデータが共同開発したAIモザイクソフト「BlurOn」は画像認識AI技術によりモザイク入れ編集を自動化することで、作業時間を最大90%削減することに成功し、番組制作現場の働き方改革に貢献している。
BlurOnは日本テレビの番組はもちろんポスプロ(映像編集会社)にも導入され活用が進んでいるだけでなく、放送業界以外でも利用が進んでおり、ドライブレコーダーや監視カメラの映像を取り扱う業界などにおいても個人情報を保護した適切な映像活用を推進している。
今回、主に以下の点が高い評価を受け、受賞に至った。
・これまでのモザイク入れは手作業が基本で1番組に数十~百時間かかるものもあった。本装置は制作現場の要望をもとにNTTデータと共同で開発を行い、99%の高い検出精度でフェードイン/アウトに対する自動調整機能などの多様な事前設定機能などの使いよさも加えて、作業時間の大幅削減に成功した。
・日本テレビおよび外部のポスプロにおける働き方改革への貢献、放送以外の自動車業界、監視カメラなどでも活用されていることは高く評価できる。
●BlurOn 製品WEBサイト https://blur-on.com/
●BlurOnユーザーのコメント
「手作業と比較して段違いに処理速度が速い」
「もうBlurOn無しでのモザイク入れ作業は考えられない」
「編集作業が効率化されて早く仕事が終わるようになり助かっています」
「社会的にも個人情報保護の要望が高まっているので、こういうソフトは絶対に必要だと思います」
●受賞者のコメント
★起案/設計/運用 加藤大樹(社長室 新規事業部)
「自分自身も10年以上番組編集に携わっていてモザイク入れ作業を効率化できないかとずっと悩んでいました。今回AIに強いNTTデータと映像制作に強い日本テレビが協業することでBlurOnを開発することができ導入した番組制作現場の作業が楽になったという話を聞くと、諦めずに取り組んでよかったなと嬉しく思います。最近では自動車業界など映像業界以外からも個人情報保護対応に困っているという相談が来ることも増えており、業界のボーダーを超えて社会全体のお役に立てればと思います。」
●共同開発:株式会社NTTデータ