KDDI、スマホとStarlink衛星との直接通信の実証実験に成功、国内で初(24.10.24)

KDDI(株)(東京・千代田区、高橋誠社長)は、米スペースXのStarlink衛星とauスマートフォンを直接通信する実証実験に成功したと発表した。国内の通信事業者としては初。

実験は、沖縄県久米島の実験環境で実施。圏外状況のauスマートフォンが、地球低軌道に位置するStarlink衛星と直接通信し、SMSの送受信ができることを確認したという。

KDDIでは、Starlinkとau通信網を活用することで、auスマートフォンが衛星と直接つながり、空が見える状況であれば圏外エリアでも通信ができるサービスの提供を視野に入れる。「これまでどの国内通信事業者でも5Gや4G LTEでは提供が困難だった山間部や島しょ部を含む日本全土にauのエリアを拡張し、『空が見えれば、どこでもつながる』体験を実現していく」としている。

Starlinkとスマートフォンの直接通信サービス

低軌道を使用する最先端の衛星群であるStarlinkは、直接通信サービスに対応した衛星の軌道上への展開を開始した。対応予定の通信事業者と連携しながら、順次、空が見える場所でのSMS/音声通話/データ通信利用を可能としていく。直接通信サービスは、既存のスマートフォンで利用でき、専用機器やアプリダウンロードなどは不要。

auエリア展開の取り組み

KDDIは、ユーザーの日常をつなぐため、鉄道路線や商業地域など生活動線のエリア整備を積極的に行っている。また、非日常をつなぐため、光回線を敷設しづらい山間部や野外イベントでは、車載型基地局やStarlinkを活用した通信対策を実施している。さらに日本全土にauエリアを拡張するべく、衛星とスマートフォンの直接通信サービスを提供する予定。これにより、「日常がつながる」「非日常がつながる」「空が見えればどこでもつながる」体験を提供していく。