特設ページ 放送業界のための「Interop Tokyo 2025」の見どころ

『開催迫る!放送業界必見のInterop Tokyo 2025』

見どころは放送業界向けの2大企画
①Media over IP実証実験「ShowNet Media-X」
②特別企画「Internet x Media Summit」

(この特設ページは、B-magaメールニュース「Interop Tokyo 2025」特集号「開催迫る!放送業界必見のInterop Tokyo 2025」の内容を再構成したものです)

■「Interop Tokyo 2025」開催概要

・会期:6.11(水)~6.13(金)
 展示・講演:10:00~18:00 ※最終日のみ17:00終了
 基調講演:9:30~ ※初日のみOpening 9:15開始
・会場:幕張メッセ(国際展示場 展示ホール4~8 / 国際会議場)
・主催:Interop Tokyo実行委員会
・運営:一般財団法人インターネット協会、株式会社ナノオプト・メディア
・特別協力:WIDEプロジェクト

■「Interop Tokyo 2025」の放送業界向け企画

◎ShowNet Media over IP特別企画「ShowNet Media-X」
全国12の放送局とShowNetが映像・音声などのリソースをIPネットワークで共有し、相互に活用し合う大規模な実証実験を実施します。
https://www.interop.jp/2025/shownet/media-over-ip/

◎特別企画「Internet x Media Summit」
「放送・映像メディアの近未来をインターネット・IP側から再定義」するという企画で、20本以上の基調講演、展示会場内セミナーを予定しています。放送・映像業界とインターネット業界が相互に影響を与え合い、新しいコンテンツの創造と映像メディアのイノベーションが加速する今を伝えます。
https://www.interop.jp/2025/exhibition/mediasummit/

全国12の放送局がつながるMedia over IP実証実験

「Interop Tokyo 2025」が6月11日(水)~13日(金)、幕張メッセで開催されます。Interop Tokyoはネットワーク技術の展示会・セミナーのイベントですが、放送業界向けの展示・セミナーにも力を入れています。特に近年は、Media over IP(MoIP)など放送のIP化に関する実証実験が毎年実施されており、放送局やケーブルテレビ事業者にとっては、放送のIP化の最新技術に触れることができる、必見のイベントになっています。今年も放送業界向けの展示・セミナーが用意されています。
昨年の「Interop Tokyo 2024」では、プロジェクト「ShowNet」で3放送局をインターネットで接続してリモートプロダクションを行うMedia over IP実証実験を実施し、成功を収めました。この昨年の成功を経て、今年のInterop Tokyo 2025では何に挑戦するのか、放送業界が注目していました。
今年実施されるのは、昨年よりさらに規模を拡大したMedia over IPの実証実験です。今回のShowNet Media over IP特別企画では、なんと全国12の放送局が各局の枠を超えてMedia over IPでつながる「ShowNet Media-X」に挑みます。参加する12局の放送局は、関西テレビ放送、静岡第一テレビ、中京テレビ放送、TBSテレビ、テレビ朝日、テレビ大阪、テレビ北海道、日本テレビ放送網、日本放送協会、毎日放送、宮城テレビ放送、読売テレビ放送(社名五十音順)。この12局が、各局が持つ映像・音声などのリソースをIPネットワークで共有し、相互に活用し合うという壮大な実証実験です。

仮想メディアサービスプロバイダーが出現

実証実験が行われるShowNetは、最新技術で構築したネットワークの技術検証と、そのネットワークでInterop Tokyo会場内への通信サービス提供を行う恒例のプロジェクトで、そのシステムは、メーカー各社の最新製品や最新技術で構成されています。今回は幕張のInterop Tokyo 2025内のShowNet会場に、3日間限定の仮想メディアサービスプロバイダー「ShowNet Media-X」を構築。そこに接続した各放送局が、さまざまな入出力フォーマット、プロトコルを相互に変換することで、各局の映像・音声を他の局も素材として自由に利用できるようにします。ShowNetの最新技術によって、近未来のメディア共通基盤が一足先に期間限定で幕張に出現するわけです。
「異なるフォーマットやプロトコルをネットワークが融合したその姿は、まるで日本をまたぐ巨大な放送局のように感じるかもしれません」と主催者は述べています。

参加放送局の技術担当者によるセミナーも

Interop Tokyo 2025のShowNet会場では、このMedia over IPに使用されているシステムの実機や、放送局間で送受信された映像、放送局技術者による実証実験の様子などを実際に見ることができます。
また、展示会場内では、実証実験に参加した各放送局の技術担当者などが技術的な解説をしたり、これからの放送システムを支えるIPネットワーク技術や新しいメディアサービスについて議論するセミナー「ShowNetが日本の放送局を繋ぐ! Media-Xが魅せた放送コンテンツ共有のミライ(パート1、パート2)」も開催します(詳細は上記囲み)。
今回の実証実験では、Media over IPによる近未来の放送業界におけるコンテンツ制作の仕組みや、新しいメディアサービスの姿を体感することができそうです。IPによって可能になる放送の新たな可能性に触れることができる、放送業界関係者にとって必見の実証実験です。

このMedia over IP実証実験「ShowNet Media-X」のほかに、Interop Tokyo 2025では特別企画「Internet x Media Summit」も行います。20本以上の基調講演、展示会場内セミナーによって、「放送・映像メディアの近未来をインターネット・IP側から再定義」するという企画です(詳細は下記)。
「ShowNet Media-X」と「Internet x Media Summit」という放送業界向けの2大企画を揃えたInterop Tokyo 2025は、放送業界にとって今年度上半期に日本で開催される最も重要なイベントと言って間違いないでしょう。

(筆者:月刊B-maga編集部・渡辺 元)

図: 12放送局間をインターネットで接続した「Interop Tokyo 2025」のMedia over IP実証実験
(出典:Interop Tokyo 2025公式サイト)
昨年の「Interop Tokyo 2024」内の「ShowNet」会場。Media over IPのトライアルはここで行われた
Interop Tokyo 2024展示会場に設置されたMedia over IP実証実験のメディアオペレーションセンターでは、各放送局の担当者が局にある機材を遠隔コントロールするなど操作を行なった
Interop Tokyo 2024のMedia over IP実証実験で、リモートプロダクションによって制作された映像。ShowNetで撮影した映像(左上の映像)を各局に伝送し、日本テレビはテロップなどをインサート(左下)、テレビ北海道はAIアナウンサーをインサート(右下)し、NHKは両局から送られてきたそれらの映像を自局の映像にインサートした(右上)。映像はメディアオペレーションセンター前のモニターに表示された