パナソニック、「KAIROSクラウドサービス」実証実験でモータースポーツのレース中継をライブ配信(22.1.12)

パナソニック(株) コネクティッドソリューションズ社(東京・中央区、樋口泰行社長、以下パナソニック、2022年4月よりパナソニック コネクト(株)に変更)、およびトライアンフ(株)(東京・新宿区、澤口欣也社長)は、2021年12月11~12日、静岡県「富士スピードウェイ」で開催されたモータースポーツの大会“インタープロトシリーズ”にて「KAIROS(ケイロス)クラウドサービス」※1によるレース中継のライブ配信の実証に成功した。

オンボードカメラに順位表を組み合わせた配信

“インタープロトシリーズ”は、日本を代表するトップドライバーたちが同じ車に乗り、フェアな環境でドライビングスキルだけで真剣バトルを行う大会。ライバルと競い合う迫力や臨場感を映像で伝えるためには、従来のレース会場に常設されている定点カメラに加え、様々な視点からの映像シーンが求められる。しかし、レース会場のような大規模な屋外施設では、カメラの配線引き回しや高額な中継車利用等、限られた時間内での準備や、コスト面で導入が困難だった。そこで、今回の実証実験では、カメラ映像の無線伝送技術と、KAIROSクラウドサービスの組み合わせにより、最小限の機材とリソースで、臨場感あるレースのライブ配信に成功した。

今回は、ドライバーの競い合いで順位変動の多いコーナーにパナソニック製カメラレコーダー「AG-CX350」x2台設置、また、ドライバーの視点をリアルに体験できるようレーシングカーにカメラ1台を搭載。それらのカメラ映像は映像伝送機器「LiveU Solo」※2を用いた無線伝送で、KAIROSクラウドサービスに直接ストリーミング入力。大掛かりな受信機や配線準備なしで、臨場感ある安定した映像を配信することが出来た。

映像配信の事前準備やスイッチング操作は、KAIROSクラウドサービス環境にアクセスすることで、汎用のノートPCを使用し、1人のオペレーターのみで実現。ノートPCにインストールされたGUIソフトウェア「KAIROS Creator」は、カメラ映像や画像を多レイヤーで組み合わせるなど、直感的なUIで自由にカスタマイズすることができるため、順位表の画のトリミングやサイズ変更、またカメラ映像と重ね合わせた表示の画作りなど、事前準備も容易に行うことが出来た。また、今まではシナリオに沿った配信のみだったが、KAIROSクラウドサービスを用いることで、演出の追加など配信直前の変更にも柔軟に対応でき、実況やレース状況に合わせたリアルタイムで臨場感あるライブ配信を視聴者に届けることを実現。配信コメントでも多数の高評価を得て、コンテンツの質向上をユーザーに実感してもらったことを確認した。

スイッチング・オペレーション風景

※1 KAIROSクラウドサービス:2021年10月26日プレスリリース「クラウド型映像コンテンツ制作ソリューション「KAIROS(ケイロス)クラウドサービス」を来春より開始」
https://news.panasonic.com/jp/press/data/2021/10/jn211026-1/jn211026-1.html
※2 「LiveU Solo」:LiveU社の無線環境で使用できる映像伝送機器です。LiveUは5G 4K HEVC対応のリモートプロダクション・ライブ映像伝送ソリューションを提供。企業・製品の詳細はホームページ(https://www.liveu.tv/ja)を参照。

【今回の実証実験のポイント】
1)カメラ映像の無線伝送からKAIROSクラウドサービスへの入力により、臨場感ある映像を安定してライブ配信
2)KAIROSクラウドサービス環境にアクセスすることで、映像配信の事前準備や画作り、スイッチング、音声操作を最小限の機材と1人のオペレーターで完結

【各社の役割】
パナソニック:実証実験用KAIROSクラウドサービス・各種カメラシステム・ノートPC等システム構築
トライアンフ株式会社:コース撮影、配信時の各種設定・映像制作・スイッチング・オペレーション

パナソニックは、「KAIROS クラウドサービス」の来春サービスインに向け、スポーツをはじめとする様々な現場での映像価値を高めることにより、映像制作現場の皆様と“視聴者の感動体験”を創造し、更なる「現場プロセスイノベーション」を加速していく。