さくらインターネット、第4回衛星データ分析コンテスト「Tellus Satellite Challenge」を開催(20.8.6)

さくらインターネット(株)(大阪・大阪市、田中邦裕社長)は、経済産業省の「政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利活用環境整備・データ利用促進事業」(以下、「本事業」)の一環として、第4回衛星データ分析コンテスト「Tellus Satellite Challenge」を2020年8月6日より開催する。
「Tellus Satellite Challenge」は、本事業でさくらインターネットが構築する衛星データプラットフォーム「Tellus(テルース)」の利活用促進のため、衛星データの利活用事例の可視化、優秀な分析人材の発掘、衛星データの種類の周知・啓蒙などを目的としている。
4回目となる今回は、「SARデータ※1を用いた海岸線の抽出」がテーマ。
海に囲まれた島国である日本は、総延長約3万5,000kmにもおよぶ海岸を有する。これは世界で6番目であり、国土面積あたりの長さではフィリピンに次いで2番目。また、日本の砂浜の面積は全国で約19,000haとされているが、1978年以降の約15年間で約13%に当たる2,400haほどの海岸が消失して以降も、一部の海岸で海岸侵食が引き続き進行している。砂浜が消失に近い状態になってしまうと、その再生には莫大なコストがかかる。
海岸は、波の力を弱まらせることで高潮や津波などによる被害を防ぐ防災上の役割を果たす。また、海岸を生育環境とする動植物にも影響を与える。全国で深刻化する海岸侵食の原因は、地震や台風といった災害、気象の変化による波向きや風向きの変化、温暖化に伴う海面上昇、港湾整備やダム開発などの人為的要因によって、正常な砂の供給サイクルが崩れることにより生じるとされている。
現在、海岸分野では、手遅れになる前に対処できるよう、人工衛星によって全国の海岸の健康状態をモニタリングし、砂浜の侵食の兆候を早期に発見する研究が進められている。人工衛星を使用すれば、広範囲の海岸領域を高頻度にモニタリングが可能。しかし、観測データから海岸領域を判読するには高度なスキルが必要なのが実情だ。そこで今回のチャレンジではSARデータ※1から海岸線をより高い精度で抽出するアルゴリズムの開発を目指す。
優れた検出精度を備えたアルゴリズムについては、開発者の方を表彰するとともに、Tellusにて利用できる形で公開する予定。

第4回「Tellus Satellite Challenge」について
■開催概要
・テーマ    :SARデータを用いた海岸線の抽出
・使用データ  :国内の一部の海岸における「PALSAR-2画像」※2
・参加費    :無料
・実施期間   :2020年8月6日(木)~11月6日(金)
・懸賞
1位:賞金100万円
2位:賞金60万円
3位:賞金40万円
・審査結果発表 :2021年2月(予定)
・実施団体
主催:経済産業省
協賛:さくらインターネット株式会社
運営:株式会社SIGNATE

■応募方法・評価方法
本コンテストの詳細およびお申し込み方法は、以下SIGNATEのウェブサイトを参照。なお、申し込みにはSIGNATEの会員登録が必要。
https://signate.jp/competitions/284

※1 マイクロ波を発射し、地表で跳ね返ってきたマイクロ波をとらえるセンサー合成開口レーダー(SAR:Synthetic Aperture Radar)の画像データ。衛星データの種類については以下を参照。
「Tellus」オウンドメディア宙畑の「衛星データのキホン~分かること、種類、頻度、解像度、活用事例~」 https://sorabatake.jp/279/

※2 陸域観測技術衛星2号「だいち2号」(ALOS-2)搭載の合成開口レーダー「PALSAR-2」のデータ。https://www.eorc.jaxa.jp/ALOS-2/about/jpalsar2.htm

2018年12月に実施した第1回「Tellus Satellite Challenge」表彰式の様子