凸版印刷など5社、秋田市のエイジフレンドリーシティ実現に向けて4K映像配信の実証実験を実施(2020.3.12)

凸版印刷(株)(東京・千代田区、麿 秀晴社長)、(株)ブロードバンドタワー(東京・千代田区、藤原 洋会長兼社長CEO)、ブロードバンドタワーの連結子会社ジャパンケーブルキャスト(株)(東京・千代田区、大熊茂隆社長兼COO、以下ケーブルキャスト)、(株)秋田ケーブルテレビ(秋田・秋田市、末廣健二代表取締役)、秋田ケーブルテレビの連結子会社(株)ALL-A(秋田・秋田市、末廣健二代表取締役、以下ALL-A)は、超高精細・高品質4K映像によるヒーリング効果や集中力の向上が期待できる、新たな映像配信サービス「Natural Window for CATV」を、秋田市後援のもと市内の高齢者入居施設および個人宅への実験配信(※2)を実施した。本実験は、来る超高齢社会を見据え、秋田市が推進する「エイジフレンドリーシティ(※1)」への取り組みに寄与するもの。
「Natural Window for CATV」は、CATVを通じて4K映像コンテンツを家庭用4K対応テレビに配信する実証検証中のサービス。凸版印刷が開発した超臨場感環境ソリューション「Natural Window」、5G対応データセンターを核とするブロードバンドタワーのIT技術、ケーブルキャストの有する日本全国のケーブルテレビ局へのリーチ力を組み合わせて、閉鎖的空間でも窓からの眺めが体感できる。
ヒーリング以外に、視聴者間のコミュニケーションのきっかけづくり、映像を見て「旅行や外出をしたい」などの活動意欲の喚起など、多角的視点からプランの策定を行い、秋田市の課題の一つでもある高齢者の社会参加のきっかけにできるかを検討する。また、高齢者の社会参加を促進し、高齢化率・人口減少率が全国トップの秋田県の県都秋田市の重要課題でもある社会インフラの維持や労働力不足等の課題解決への可能性についても検討する。具体的には、サービス付き高齢者向け住宅「さらさ秋田駅前」(運営:(株)JAWA秋田)への試験導入により、入居者の居住環境や空間に関する満足度、高い臨場感ある4K映像による自然環境への関心向上と行動意欲の機会創出などを検証。
第一弾調査としては、入居者や施設関係者、個人宅を対象にアンケートを実施。その結果、映像の美しさや、秋田市が推進するエイジフレンドリーシティへの取り組みについて、多くの理解が得られた。
また、改善すべきポイント等の意見を参考に、さらなるサービス品質向上につなげるべく、今後も5社は、4K映像コンテンツを音声などとのクロスモーダルによる環境デザイン技術開発や、秋田市をはじめとする国内の自治体とのさらなる協力関係を築き、「エイジフレンドリーシティ(高齢者にやさしい都市)」の実現に向けた活動や、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の達成への貢献を目指したサービス・市場開発を推進していく。そして、「Natural Window for CATV」サービスのブラッシュアップと各種効果検証、およびケーブルテレビ事業者と連携した4K映像配信手法、サービス提供手法等についての検証・調整を進め、2020年6月まで実証実験を継続し、サービス化を目指す。

※1 エイジフレンドリーシティ(高齢者にやさしい都市)
WHO(世界保健機関)が世界的な高齢化・都市化・都市の高齢化に対応するために2007年に提唱したプロジェクト。2010年には各都市との連携を図ることを目的に、自治体等で構成する国際的なネットワーク「エイジフレンドリーシティグローバルネットワーク」が設立された。世界各地で様々な活動が行われ、秋田市では2011年12月に日本国内の自治体として初めて参加、2013年8月に「第1次秋田市エイジフレンドリーシティ行動計画」、さらに2017年3月には「第2次秋田市エイジフレンドリーシティ行動計画」を策定、2019年3月にはWHOから、グローバルネットワーク参加都市の中において先進的な取り組みを行う11都市・地域の一つとして選出されており、その活動が高く評価されている。
※2 高齢者入居施設および個人宅への実験配信
(株)秋田ケーブルテレビ、(株)秋田魁新報社および(株)秋田銀行の民間事業者と高齢者の方々によって新たな価値を共創する「リビングラボ」の運営会社として(株)ALL-Aを設立。同社協力の元、秋田市内の高齢者入居施設および個人宅へ実験配信を実施した。

設置イメージ(本実証でのコンテンツ)とハイブリットキャストトップ画面