JCTAとHuluが連携、「ケーブルID」を活用して全国のケーブルテレビ局で「Hulu」を順次発売(19.2.14)
(一社)日本ケーブルテレビ連盟(東京・中央区、吉崎正弘理事長、以下JCTA)は、2月14日に報道関係者向け説明会を行ない、動画配信サービス「Hulu(※1)」を運営するHJホールディングス(株)(東京・港区、於保浩之社長)と連携して、ケーブルテレビ業界の共通ID連携基盤「ケーブルIDプラットフォーム(※2)」を利用した取り組みを開始することを発表した。
2019年3月15日以降、全国のケーブルテレビ局のうち「ケーブルIDプラットフォーム」に対応済みの局から順次、Huluの販売を開始する。これにより、ケーブルテレビ加入者がHuluに新規入会する際の手続きが簡易化、月額料金をケーブルテレビの料金とまとめて支払うことができる。導入局では、Huluの新規申込特典に加えて、割引セットプランの提供も検討している。Hulu対応のセットトップボックス(STB)を利用すれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなど従来の機器に加えて、簡単に家庭のテレビでHuluのサービスが視聴可能になる。なお、具体的なサービス開始時期は、導入開始局が後日公表の予定。
説明会冒頭でJCTA理事長の吉崎正弘氏は、「若者を中心としたテレビ離れが目立つが、最近は大型テレビ以外に、スマホやパソコンで映像を視聴する機会は増えている」と述べ、エンドユーザーにとって、通信と放送の垣根がなくなっている現状を示した。
米国ではケーブルテレビ最大手コムキャストの契約者数が、2009年以降減少傾向となっていた。ところが、Netflixと連携を開始した2016年頃から、他の多チャンネルサービスと比較して減少幅が縮小。こうした米国市場の動向も踏まえて、JCTAではOTT事業者との連携が重要であると判断。第一弾として、今回のHuluとの連携が決定した。引き続き、他のOTT事業者との連携も検討していく。
今後について吉崎氏は、ケーブルIDプラットフォームを活用して、視聴ログ管理によるビッグデータビジネスなど、さらなる事業拡大を見据えているとの展望を示した。
説明会後半では、JCTA企画部次長の仲見政仁氏が今回の事業提携の概要を説明。会場に設置した機器を使って、ケーブルテレビのサービス画面からHuluを利用するデモンストレーションを行なった。
※1 「Hulu」は50,000本以上の映画・ドラマ・アニメ・バラエティを楽しめるオンライン動画配信サービス。月額料金は933円(税抜)。
※2 「ケーブルIDプラットフォーム」は、業界共通のIDとしてケーブルテレビ各社が管理する顧客ID。同プラットフォームを通じて業界各社が連携することで、外部のサービス事業者との連携を早期に実現し、ケーブルテレビ加入者に多様なサービスを提供することを可能にする。