衛星劇場、生誕100年・川島雄三監督作品の全作放送を記念して、立川志らく×泉麻人トークイベントを開催(18.10.1)

「衛星劇場」(松竹ブロードキャスティング(株)、東京・中央区、井田寛社長)は、「生誕100年記念・監督・川島雄三の足跡~全作放送~」と題して、現存する全50作をハイビジョン映像で放送している。この放送を記念して、川島監督の作品「洲崎パラダイス赤信号」(1956年)の上映会とトークイベントが10月1日に開催された。トークゲストには、川島監督の大ファンである落語家・立川志らくと、コラムニスト・泉麻人が登場した。
“鬼才”と呼ばれる川島雄三監督は、「幕末太陽傳」「女は二度生まれる」「しとやかな獣」などの代表作を残し、現在も多くのファンに愛されている。
本イベントで上映された「洲崎パラダイス赤信号」は、2人が共通で“好きな作品”として選んだ一作。
トークゲストの2人は、コアなファンならではの視点で川島作品を分析、その魅力を存分に語り合った。

以下はトークイベントコメントの一部。
泉「最初のシーンで、(主人公の)2人が勝鬨橋から都バスに乗るけれど、あの路線は実在する。僕はバスが大好きで、川島監督のリアリティというか、実在の町を細かく描くところが好き。撮影もセットではなく、結構廃屋を利用したりして、ロケをしていたんじゃないかと思います。物語のロケ地が気になって仕方ないんです」
立川「作風について言えば、泣かせにかかる方が大衆を凌駕しやすいのに、お涙ちょうだいは全くない。それから、監督の自己評価が低かったと言われる作品の中に、マニアが喜ぶようなものがたくさんある。こんなにハチャメチャな世界をつくる映画監督は日本には他にいないと思う。ハマったらずっとこの作品の世界に浸っていたいと思うような素晴らしい監督」

衛星劇場では、川島監督が松竹時代の23作品を10月に放送。11月以降は日活、大映、東宝時代にメガホンをとった27作品を来年の初夏にかけて、順次放送していく予定だ。