JAXA、国際宇宙ステーションに搭載する新たな宇宙生活用品を発表(23.8.28)

宇宙航空研究開発機構(東京都調布市、山川 宏理事長、JAXA)は、2021年8月2日~9月30日に、宇宙生活と地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデアの第2回募集を行い、寄せられた65件のアイデアから、ISS搭載に向けた開発フェーズに進むアイデアを選定した。

選定されたアイデアについては、21年11月以降、選定企業様による宇宙仕様への改変等(以下、「開発」という)や宇宙飛行士によるプロトタイプの確認等を行い、このたび24年以降にISS搭載予定の開発品に対し、安全性・搭載性等の観点から総合的に評価する搭載可否判断を実施した。

その結果、表1の生活用品がISSへ搭載可と判断。これらの生活用品は、今後、打上げに向けた準備を進め、2024年以降の油井亀美也宇宙飛行士のISS長期滞在ミッションにおいて、ISSに初搭載される予定。

なお、アイデア創出促進等を行なってきたJ-SPARC(※1)の「THINK SPACE LIFEプラットフォーム(※2)」は、事業創出を促進するインキュベーションやコミュニティ活動を通し、引き続き応募企業・選定企業を後押ししていく。

[表1]2024年以降ISSに搭載予定の生活用品

生活用品名会社名(順不同)
Odorleship®(オードレシップ)久光製薬株式会社
Hands Å P.P. UNIVERSE (ハンズエーピーピー
ユニバース)
Caetus Technology株式会社
コスモロジー スペースクルーキット株式会社ポーラ・オルビスホールディングス
ANAホールディングス株式会社
自在にカスタマイズが出来るうえに
持ち歩くことまで出来る壁面収納(アイデア名)
株式会社パル
origami-mirrorSpace Cosmetology株式会社
Triporous™:Space QOL Series インナーウェアスタイレム瀧定大阪株式会社
ソニーグループ株式会社
relaXspace A(リラックスペースエー)ライオン株式会社

※1:J-SPARC
J-SPARC(JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ)は、宇宙ビジネスを目指す民間事業者等とJAXAとの対話から始まり、事業化に向けた双方のコミットメントを得て、共同で事業コンセプト検討や出口志向の技術開発・実証等を行い、新しい技術を獲得し、新しい事業を創出する共創型研究開発プログラムです。2018年5月から始動し、これまでに約40のプロジェクト・活動を進め、民間事業者による食、生活用品、教育、VR、エンタメ、アバター、通信、小型衛星コンステ事業の事業始動(商品化・サービスイン)にも貢献しています。事業コンセプト共創では、マーケットリサーチ、事業のコンセプトの検討などの活動を、事業共同実証では、事業化手前の共同フィージビリティスタディ、共同技術開発・実証などの活動を行います。
(J-SPARCページ:https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/

※2:THINK SPACE LIFEプラットフォーム
THINK SPACE LIFEプラットフォームは、宇宙生活の課題から宇宙と地上双方の暮らしをより良くする研究開発や新規事業創出を目指す、インキュベーション機能やコミュニティを有する事業共創プラットフォーム。 宇宙生活/地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデア募集、及び既存の共同研究や宇宙実証の仕組みによる参画機会と、当該プラットフォームを有機的に連携させ、宇宙に暮らす時代に暮らし・ヘルスケア分野が宇宙と地上双方の新たな市場へ発展するよう後押しをしていく。

THINK SPACE LIFEページ:
https://aerospacebiz.jaxa.jp/solution/j-sparc/projects/think-space-life/