日本トイレ協会、災害用携帯・簡易トイレ備蓄実態アンケート調査を実施(23.8.11)
(一社)日本トイレ協会「災害・仮設トイレ研究会」(東京・文京区、小林純子会長/研究会代表幹事:山本耕平)では、2017年より3年ごとに災害用携帯・簡易トイレ(以下「災害用トイレ」)の備蓄状況に関するアンケート調査を実施している。関東大震災から100年にあたる本年も、20年に続き3回目のアンケート調査を実施した(計1,000名 10都県で各100名)。
■災害用トイレの備蓄率は、前回20年より2.7ポイント増加の22.2%
各家庭での災害用トイレ備蓄率は、17年は15.5%、20年は19.5%で、今回23年は22.2%だった。伸び率も低く、未だ災害用トイレの備蓄は十分とは言えない状況である。
■備蓄水や非常食の備蓄が減少する中、災害用トイレの備蓄率は増加している
備蓄水60.0%(2020年) → 57.4%(2023年)、非常食47.6%(2020年) → 43.4%(2023年)と備蓄率は減少しているが、災害用トイレの備蓄率は19.5%(2020年) → 22.2%(2023年)と上昇。災害用トイレの必要性の認識が浸透してきていると思われる。しかし、依然として備蓄水や非常食に比べて備蓄率は低い状況だ。
■災害用トイレの備蓄数量は十分とは言えない
一人当たりの災害用トイレの備蓄回数は、「0~4回分」が36.9%、「5~9回分」が16.2%で10回分未満が50%を超え、実際の災害時での実効性に欠けると想像される。
経済産業省では1人あたり35回分(7日分)の災害時トイレの備蓄を推奨している。
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/jyutaku/toirebichiku.html
■災害用トイレを備蓄していない理由、最も多いのが「特に理由はない」
災害用トイレを備蓄していない理由のうち、44.5%は「特に理由はない」。災害時にトイレに困ることやその必要性を更に周知する必要がある。
関東大震災発生より100年にあたる本年、災害に関する報道は増えると想定される。コロナ禍の影響などもあり政府・各自治体からの呼びかけは、避難所への避難から在宅避難へと変化してきている。しかしながら今回のアンケ―ト結果からは、在宅避難に必要となる災害用トイレ備蓄への意識は、まだまだ低い様子が窺える。日本トイレ協会では今後も引きつづき災害用トイレの備蓄について、周知広報に努める考えだ。
日本トイレ協会 ホームページ
https://j-toilet.com/