宇宙スタートアップのALE、宇宙デブリ対策事業の関連資産等をBULL社に譲渡(23.7.5)
「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」をミッションに掲げる(株)ALE(東京・港区、岡島礼奈代表取締役/CEO)は、「導電性テザー(EDT)を用いた宇宙デブリ拡散防止装置」の開発を進めていた宇宙デブリ対策事業を終了し、当該事業に関連する資産を、ALEで当該事業のマネージャーを務めていた宇藤恭士氏が設立した(株)BULL(栃木・宇都宮市)に譲渡することを発表した。
■背景と目的
ALEはこれまで、以下の3事業に取り組んできた。
・人工流れ星を始めとした「宇宙エンターテインメント事業(SKY CANVAS)」
・地球大気のデータを活用し気候変動の解明への貢献を目指す「大気データ事業」
・EDT(導電性テザー)を用いたデブリ対策装置の開発をはじめする「宇宙デブリ対策事業」
経営資源の選択と集中の観点から、宇宙デブリ対策事業を終了することを決断。その一方でBULLは、これまでALEが蓄積してきた技術力及び商品力に一定の価値を見出し、それらの最大活用による持続的な事業成長を期待。さらに、より早期の事業化が見込めることから、両社はBULLの下での取り組み継続が最善と考えたという。
ALEでの宇宙デブリ対策事業は終了するが、宇宙開発事業者として軌道上環境の維持に努める姿勢は変わらない。ALEは「科学を社会につなぎ 宇宙を文化圏にする」というミッションを達成するためにこれからも邁進していく考え。
■事業譲渡の概要
ALEが保有する宇宙デブリ対策事業関連の資産、知的財産権及びノウハウを2023年7月4日にBULLに譲渡する(対価は非公開)。
■ALE 代表取締役/ CEO 岡島礼奈氏 コメント
私たちALEのデブリ対策の取り組みを引き継ぐのが、同じ会社の仲間として本事業に力を注いでくださっていた宇藤氏率いるBULLであることが大変嬉しいです。今後のさらなる飛躍を期待しています。BULLとALEはもちろん、宇宙開発業界全体でサステナブルな宇宙環境の実現を目指していきたいです。
■BULL CEO 宇藤恭士氏コメント
弊社が進めるデブリ化防止装置の開発において、ALEがこれまでに培ってきた技術や知見は大変に得難く、ALEの本事業を引き継げることを大変嬉しく思います。ALEは私が宇宙産業に初めて携わった会社であり、偉大な先輩です。世界全体の宇宙開発を持続可能な形で発展させられるよう、これからも拙速を貴びつつ死力を尽くします。