アクセルスペース、衛星のライフサイクル全般をカバーするガイドラインを策定(23.6.12)

小型衛星のパイオニアであるアクセルスペース(東京・中央区、中村友哉社長)は、宇宙ビジネスとサステナビリティの両立を目指し、「Green Spacecraft Standard 1.0」を定めた。これは、2022年4月に小型衛星のワンストップサービス「AxelLiner」事業とともに発表した「Green Spacecraft」コンセプトを具体化したガイドライン。
アクセルスペースは今後、衛星のライフサイクルにおいて本ガイドラインを遵守するとともに、サステナブルな宇宙ビジネスが業界標準になるよう、本ガイドラインの普及にも積極的に取り組んでいく。

Green Spacecraft Standard 1.0とは
2000年代から宇宙ビジネスを推進してきたアクセルスペースが定める、衛星のライフサイクル全体(衛星システムの企画・設計から製造・運用・廃棄に至るまで)におけるサステナビリティについてのガイドライン。
本ガイドラインを宇宙機製造アライアンス企業(※1)とともに今後のAxelLiner事業に適用していく。

<Green Spacecraft Standard 1.0>
1.Introduction
  1.1 用語
2.For Sustainable Earth
  2.1 グリーン調達
  2.2 グリーン製造・試験
  2.3 グリーン輸送
3.For Sustainable Space
  3.1 デブリ放出の防止
  3.2 運用終了後の廃棄 (PMD: Post Mission Disposal)
  3.3 デブリや他衛星との軌道上衝突回避 (COLA: COLlision Avoidance)
  3.4 SSA機関および他衛星運用者との連携
  3.5 軌道上の物体検出、同定、追尾
  3.6 第三者機関による評価

※1 宇宙機製造アライアンス

アクセルスペースはAxelLiner事業における多様な衛星製造要求に迅速に対応するため、(株)ミスミグループ本社、由紀ホールディングス(株)及びキャリムエンジニアリング(株)と提携し、宇宙機製造アライアンスを構築している。

いち早く高い基準を示し、実効性のある業界標準構築に貢献
当ガイドラインは、各国政府や国際機関が提示するガイドラインに示す水準よりも一段高い基準を設定。米連邦通信委員会(FCC)が新たに打ち出した運用終了後5年以内に使用済みの衛星を廃棄するルールや、欧州を中心に提唱されている格付け制度である宇宙事業者向けサステナビリティ評価制度SSR(Space Sustainability Rating)にも対応している。日本大学理工学部航空宇宙工学科の宮崎康行教授と連携し、SSRのアジア太平洋地域における普及等、国際的なガイドラインの策定及び推進にも積極的に関与していく。

衝突回避に加え、デブリ化の防止策と製造時の地球環境への配慮も盛り込んだガイドライン
現在、宇宙空間にはスペースデブリが多数存在し、宇宙機に衝突し、軌道環境の安全を脅かす可能性があることから、早急な対処が求められている。既に衝突回避のための宇宙空間の観測や衛星のデブリ化防止・デブリ除去技術の開発などで国際的な調整が進み、国連でも宇宙活動に関するガイドラインが採択されている。

アクセルスペースの「小型衛星用膜面展開型デオービット機構(D-SAIL)」