スペースデータ社、衛星データから仮想世界を生成するAI技術の特許を取得(23.3.22)

(株)スペースデータ(東京・新宿区、佐藤航陽 代表)は、衛星データから仮想世界を生成するAI技術に関する特許を取得したことを発表した。これにより衛星データから現実そっくりの仮想世界をAIによって生成することができ、メタバースやデジタルツインといった高精細なビジュアルが求められる用途にも対応できるようになる。

※本特許技術によって生成されたバーチャル新宿

■ 特許第7232552号
発明の名称:情報処理装置、方法、およびプログラム
要 約:衛星データからの3D都市モデルを生成するAI技術
出願日:令和4年4月11日
登録日:令和5年2月22日

スペースデータ社は、衛星データと3DCG技術を活用してバーチャル空間に現実そっくりの仮想世界を自動生成するAI技術を開発している。人工衛星から取得できる地上の静止画像と標高データに機械学習を行い、地上の構造物を自動で検出・分類・構造化した上で、AIに地上の3Dモデルを自動生成させ、3DCG技術によって石・鉄・植物・ガラスなどの細かな材質も自動的に再現。これらを一つのシステムに統合することで実現している。

従来の3D地球儀は衛星写真や航空写真を3Dモデルに貼り付けた形で提供されることが一般的だったが、上空からの俯瞰的な視点で地上を再現することには適している一方、人間が歩く一人称視点では写真の解像度が足りず劣化してしまい、VR・ゲーム・映像制作・自動運転など高度なビジュアルが求められる領域では活用が進んでいなかった。

本特許における当社のアルゴリズムは、従来の3D地球儀が苦手とする人間視点(一人称視点)での3Dモデルを自動生成することを得意とし、近い距離でも景観が劣化しにくく、VR・ゲーム・映像制作といった三次元空間を人間の視点で動き回るような用途にも活用しやすい利点がある。

衛星データに機械学習をかけて地上の構造物の意味(物体の種類・形状・色・材質・高さ・広さ・役割など)をシステムに理解させた上で3Dモデルとして再変換をかけているため、近づいても景観を劣化させずに表現することが可能になっている。

※本特許技術によって生成されたバーチャルニューヨーク