人工衛星用アンテナシェア事業のインフォステラ社、北海道大樹町の廃校跡地に「地上局サイト」を開設(22.11.14)

アジア初の民間にひらかれた商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を運営・推進する北海道大樹町(酒森正人町長)とSPACE COTAN(株)(北海道広尾郡大樹町、小田切義憲 社長兼CEO)は、人工衛星用地上アンテナのネットワーク化やアンテナのホスティングサービス(アンテナの設置支援サービス)に取り組む(株)インフォステラ(東京・新宿区、倉原直美 代表取締役)が、大樹町内の旧生花小学校跡地でアンテナを設置・運用するための地上局サイト(以下、「大樹サイト」)を開設したことを発表した。

地上局サイトは宇宙事業者がアンテナを設置できる場所を指す。インフォステラの地上局サイト開設は初めてで、2022年3月から工事に着工し、今回1つのアンテナ(直径3m)が完成した。大樹サイトでは、特定の衛星運用者の宇宙ミッションのための専用アンテナのホスティングサービスを提供する。
人工衛星を使ったインターネット通信の普及、衛星データを活用した「超スマート社会」の実現など、宇宙利用による効果が幅広い産業に広がる中で、世界的に人工衛星の需要が高まっている。人工衛星運用者からの衛星と世界中からアクセスしたいというニーズに合わせて、アジア太平洋地域をカバーできる日本への関心が高まっている。中でも大樹町は、あらゆる軌道傾斜角の衛星追跡アンテナを設置するのに最適な場所で、特に低軌道衛星(LEO)にとって魅力的な場所としてインフォステラの地上局サイト地として選定された。大樹サイトはすでに米国の主要な宇宙事業者2社とアンテナを設置運用する契約をしており、近い将来、大樹サイトの追加拡大も検討している。
今後もインフォステラは世界各地に地上局サイトを増設し、利用者に最高品質のサービスをコスト効率の良い方法で提供する意向。
大樹サイト開設によって、HOSPOの周辺に宇宙関連事業者が集積し、宇宙産業の設備が拡充し、HOSPOのビジョン「北海道に、宇宙版シリコンバレーをつくる」の実現に向けた大きな前進となった。また、旧小学校跡地の遊休施設を活用することで、地域活性化にもつながる。大樹町とSPACE COTANは、引き続き航空宇宙関連産業の誘致やビジネス創出、宇宙産業による地方創生を推進していく方針。

■代表者コメント(株式会社 インフォステラ 創業者兼CEO 倉原直美氏)
大樹町に地上局サイトを開設し、この地域で衛星との通信を希望する特定の衛星運用者向けの専用アンテナのホスティングサービスを提供することができます。地球観測、IoT、通信衛星の衛星運用者にとって戦略的に重要であるアジア太平洋地域への通信アクセスを提供することで顧客基盤を拡大する体制が整いました。

北海道スペースポート(HOSPO)について
HOSPOはアジア初の民間にひらかれた商業宇宙港。2021年4月、大樹町で本格稼働した。北海道での宇宙版シリコンバレー実現へ、ロケット発射場や宇宙船の実験場を整備し、打上げ支援業務を行う。宇宙ビジネスを支えるインフラとして航空宇宙の研究開発、事業活動を支援する他、地方創生を含むビジネス機会を提供する。
2025年までに2つの人工衛星打上げ用ロケットの発射場を整備予定。資金確保には企業版ふるさと納税や寄附制度を活用している。


株式会社 インフォステラ https://infostellar.net/infostellar-jp
北海道大樹町 https://www.town.taiki.hokkaido.jp
SPACE COTAN株式会社 https://hokkaidospaceport.com