慶應大学SFC研究所とソフトバンク、自営の5Gネットワークを活用した共同研究を開始(2020.2.18)
慶應義塾大学SFC研究所(神奈川・藤沢市、玉村雅敏所長、以下SFC研究所)とソフトバンク(株)(東京・港区、宮内 謙社長 兼CEO)は、第5世代移動通信システム(以下「5G」)を活用したユースケースの共同研究を、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(神奈川県藤沢市、以下SFC)で、2020年2月から開始した。
SFC研究所は、ローカル5Gにおけるさまざまなユースケースの実証実験を見据えて、ソフトバンクが開発を進めている可搬型5G設備と、MEC(マルチアクセスエッジコンピューティング)(※1)サーバーを導入し、SFC構内に自営の5GネットワークをSA(※2)構成で構築した。構築した5Gネットワークは、SFCの既存ネットワークに組み込まれ、SFC研究所が管理用ポータルサイトを利用して、自ら運用を行う検証を進めている。
今回構築した5Gネットワークは、WIDEプロジェクト(※3)が運営する学術研究ネットワークに接続しており、さまざまな研究組織や企業、自治体との協力の下、5Gにおけるユースケースの実証実験での活用が予定されている。例えば大学構内に設置したカメラ映像を、5Gを介して伝送し、構内のバス停や駐車場などの混雑率の可視化や、歩行者向けのナビゲーション、構内の安心・安全に資する情報配信といった、キャンパス運用の高度化・効率化の検証を行う。また、学生向けに5GやMECサーバーを開放し、新たなユースケース開発の検証を実施する予定。
ソフトバンクは、今回の共同研究を通して、今後訪れる5Gの需要拡大を見据え、納入先の企業・団体が自律的に運営可能なシステムの商用化を目指して、開発を推進していく。
※2 Stand Alone:4Gネットワークを使用せずに5Gネットワークを構成すること。
※3 複数の大学間をまたいで結成された、インターネットに関する研究・運用プロジェクト。
<各者の役割>
◇SFC研究所
・大学構内ネットワークの設計・構築
・5Gネットワークの管理・運用の検証
・5Gを活用したユースケースの実証実験
◇ソフトバンク
・可搬型5G設備の提供
・管理・運用ポータルサイトの開発と提供
・無線局開設の各種手続き
<5Gユースケース実証実験の例>
・大学構内のバス停、駐車場における混雑状況の可視化
・歩行者向けナビゲーション
・大学構内における安心・安全情報配信への活用など