「CAB-Jセミナー2018」開催。CS/BSペイテレビの特長を大々的にPR(18.10.3)
衛星テレビ広告協議会(東京・港区、滝山正夫会長、以下CAB-J)は10月3日、「CAB-Jセミナー2018」を東京ドームホテルにて開催した。セミナーには、400名が参加した。
セミナーは、鮫島愼司会長代行の挨拶からスタート。「17年度の総売り上げは202億円と、厳しい市場環境のなかで6年連続200億円を達成することができました。これもア
ドバタイザーの皆さまのおかげです」と感謝を述べ、「専門多チャンネルの強みを活かし、私たちにしかできない広告商品を提案し、CAB-Jとしてその活動をサポートして参ります。今後もアドバタイザー様、広告会社様からの一層のご支援・ご鞭撻をお願い致します」と挨拶した。
CAB-Jは現在接触率調査データを初めとしたデータ強化を進めており、今年4月には機械式接触率共同調査(RVCS)の調査地区を関東・関西に加え、名古屋・北部九州・札幌の5地区に、世帯調査期間も52週(365日)へと拡大した。
セミナーでは、メディアデータ委員会委員長の森明生氏が登壇。実際の接触率やリーチ率等を説明。実例として、今年6月第2週目の調査によると、毎週約916万世帯、約2,263万人にリーチし、24時間平均すると常時約57万世帯に視聴されているメディアであり、個人視聴ベースで見ると、常時約82万人に視聴されているメディアであることをことに説明した。
CAB-Jでは、RVCSとともにビデオリサーチの自主調査「ACR」の中からマルチチャンネルを抽出した「MVP(Multichannel Viewers Profile report)」も活用。森同委員長は、「世帯215項目、個人1370項目のプロフィール調査を実施。通常の視聴率調査は、年齢・性別のデモグラフィックしか把握できないが、RVCSは、消費者の意識や欲求商品なども網羅し、性年齢別以外に、さまざまな視聴者属性ごとの接触人数等が計算できます。これにより、アドバタイザーが求めるターゲットの視聴状況(視聴者数)を把握できます」とPR。森委員長は、集計ソフト「RVCS3.0」を操作しながら、「ダイエットに関心がある女性層」の視聴人数等を表示し、「RVCS」ならば、広告ターゲットのボリューム感が簡単に把握できる点を、わかりやすく説明した。
セミナー後半では、新たな取り組みとして、資生堂ジャパン(株)メディア統括部長で、日本アドバタイザーズ協会デジタルメディア委員⻑も務める小出誠氏と、月刊『宣伝会議』編集長の谷口優氏(モデレーター)による講演会「自社の広告戦略におけるCS/BSペイテレビのポジショニングと今後ペイテレビメディアに期待されること」を開催した。
小出氏は、「現在資生堂は、企業ブランドから商品ブランドごとの価値を高める戦略へとシフトしており、ブランドごとに最適なメディアを選択し、プロモーションすることが大切。そのためには、ターゲティングの精度を上げることであり、データの充実が必要」とした。実際、資生堂では視聴率(世帯ベース)よりも、ターゲットが視聴する時間帯にスポットを発注するようにしていると説明。
また、デジタルメディアについても説明。一般的には、ターゲットに効率よくリーチできるとされるデジタルメディアだが、小出氏は「ニールセンデジタルの調査によると、全体の約40%がターゲット外に配信されている。また、現在アドフラウド、ブランドセーフティなどの問題が発生している」と指摘した。
資生堂は、50代以上の女性をターゲットとしたブランド「プリオール」を提供。これまで無料BS放送のみで出稿してきたが、今年6月のキャンペーンでは、CS放送にも初出稿し、その結果、レスポンスはBS局1位よりも上回る効果を得たと発表。ジャンル別では、韓国ドラマ、海外ドラマ、国内ドラマ等のジャンルが強く、「CSは想定以上に効率が良いメディア。今後の出稿も検討できる。また、今回セミナーに参加させていただき、本日発行となった『メディアデータブック』に掲載されている広告事例や、データの充実度を知り、大変驚いた。ここまでデータの整備されているのであれば、CS/BSペイテレビ広告の特長をもっと知らしめたほうがいい。各ブランドと相性の良い番組とコラボしたCMやプロダクトプレイスメントなど、活用の可能性はあるのではないか」と語った。
セミナー後には、懇親会も開催。CAB-J会長の滝山正夫氏から日頃の感謝が述べられた後、来賓として、総務省情報流通行政局 衛星・地域放送課長 井幡晃三氏が登壇。また、(株)電通 ラジオテレビ局 局長補(兼)衛星メディア1部長の小倉荘司氏と、(株)博報堂DYメディアパートナーズ テレビタイムビジネス局 局長代理の西村祐一が挨拶した。
なお、CAB-JのHPでは、「CS/BSペイテレビ メディアデータブック2018→2019」(2018年度版)のダウンロードおよび閲覧が可能。「メディアデータブック」には、CS/BSペイテレビの普及状況、視聴状況等各種データが掲載されているほか、CS/BSペイテレビの広告事例等も多数掲載されている。( http://www.cab-j.org/index.html )