自治体運営&小規模のケーブル局でも活躍!!
(株)インターテック(東京・中央区、齋藤武文代表取締役)は、ケーブルテレビ局の顔であるコミュニティチャンネルの価値向上を図るさまざまなシステムを提案している。そのひとつが自治体運営や小規模のケーブルテレビ局に特化した番組自動送出システム(APC)「CONT-1000F」。ここでは「CONT-1000F」と、近年注目を集める情報カメラ送出ユニット「LCT-1000」を紹介する。
◆番組自動送出システム「CONT-1000F」
ビデオサーバーを必要としないAPC編成に柔軟性を持たせた“曖昧機能”
創業時からBS/CS放送のAPCを特注で提供してきた実績があるインターテック。2022年から販売を開始した「CONT-1000F」は、自治体運営や小規模のケーブル局に特化したAPCだ。その「CONT-1000F」は、現用機器と予備機器の2台とVIDEOTRON社のチェンジオーバーで構築され、番組表作成ソフト・番組実行ソフト・監視ソフト・ファイル管理ソフトの4つのソフトで構成されている。
第1の特徴は前述の通り2台を用いた運用になっていること。予備機器側に監視ソフトが搭載されており、つねに現用機器をチェック。現用機器にトラブルが発生した際、それを即感知し、予備機に切り替わり送出される仕組みだ。また、VIDEOTRON社のチェンジオーバーでは現用・予備から出力されているHD-SDI信号を監視している。
第2の特徴が、“ビデオサーバーを必要としない”こと。「CONT-1000F」自体に24TB RAID5のハードディスクを搭載、番組をダイレクトに保存できる。35Mbps程度のクリップならば150時間分の保存が可能だ。なお、24TB以上を必要とする場合は、NAS(Network Attached Storage:ネットワーク型ストレージ)との連携で対応し、ファイル管理ソフトが呼び出して送出する。高価なビデオサーバーを必要としないため、安価でシンプルな構成を実現している。なお、議会中継などの生中継映像を録画する必要がある場合は、記録システムをプラスして構築することができる。
第3の特徴が、インターテックならではのアプローチ“曖昧機能”だ。ケーブル局は、議会中継や高校野球の地方大会、お祭りなどの生中継を行う機会が多い。しかもこれらはケーブル局の看板番組となっている。ただ、これらの生中継は、時間が読みにくい課題がある。例えば、9時から開始予定だった議会が9時30分からに当日変更されたり、高校野球の試合が予定より早く終了した、などだ。このような時に役立つのが、この“曖昧機能”。生中継時間を3時間枠で編成するとともに、同時にインフォメーション映像やBGV、文字情報などのクリップ映像も同時間帯に登録する。すると、生中継開始時から裏で登録しておいた文字情報やインフォメーション情報が自動で送出されつづけるため、万が一中継開始が遅くなった場合や終了時間が予定より早まった時には、裏で送出されていた文字情報などが自動送出される。これにより生中継時に安心して臨める。また、1時間の予定だった番組が、編集した結果45分や50分ほどになってしまったケースでもあらかじめインフォメーション等のクリップを登録しておけば、番組終了とともに放送される。このように、「CONT-1000F」は、小規模ケーブルテレビ局の立場のニーズに応えた機能を有したAPCとなっている。
番組編成も簡単に行える。放送する時間枠をクリックし、「番組内容登録」画面上に内容を入力、保存すれば完了だ。また、番組内容を登録する時点で、番組が制作されていない場合は、番組枠と同じ尺のダミークリップを作成して使用することもできる。番組が完成し、番組をサーバー内に登録し、更新作業を行えば登録が完了するため、作業の効率化が図られる。月間編集や週間編集での番組表作成も行え、番組表データ(CSVファイル)を読み込むことも可能だ(オプション)。なお、ビデオサーバーを使用していないため、番組情報入力時にIDを割り振る必要もなく、番組管理も簡単だ。放送終了後の番組は自動消去され、再放送される番組はロックがかかり、保存される。EPGデータの構築も当然行える。 近年、大雨や地震による被災が相次いでいる。その際に必要となるのが、緊急文字放送や監視カメラによる映像提供だ。インターテックでは、次に紹介する「LCT-1000」や、緊急文字放送システム「SPR-2000」も開発、ケーブル局に提供している。これらのシステムは、自治体や気象庁が発信する緊急メールを受信すると自動で立ち上がり、L字画面や監視カメラ映像画面に切り替わる。「LCT-1000」や「SPR-2000」がメールを受信すると、「CONT-1000F」に発信され、マトリックスが切り替わるシステムとなっている。緊急時も即座に対応できるのも、自治体運営のケーブル局等にとっては心強い機能だろう。
◆情報カメラ送出ユニット「LCT-1000」
緊急メール受信で画面を即座に切り替え国土交通省のWeb上の映像も配信可能
番組情報カメラ送出ユニット「LCT-1000」は、街中や河川などに設置されているネットワークカメラを多様な構成で送出するシステムで、複数の情報(IP)カメラを1台のターンキーで送出できるシステム。
ネットワークカメラ映像の放送は、全国各地で水害が多発していることから、現在ケーブル局で導入が進んでいる。また、街中に設置されたネットワークカメラの映像は、1年間を通じて交通情報としても活用できるほか、積雪状態の把握などにも役立つことから、コミュニティチャンネルに日々接してもらえるコンテンツとなり、コミチャンへの接触率アップにも貢献するソリューションとされている。
「LCT-1000」の第1の特徴は、自治体やLアラートによる緊急メールを受信すると、即座に通常の番組から情報カメラの放送画面に切り替わることだ。通常時から「LCT-1000」を用いてカメラ映像を放送している場合には、通常画面から緊急情報画面へと切り替わり、河川や街中の映像を即座に放送することができる。
第2の特徴は、自社および自治体が設置したIPカメラ映像を取り込むだけでなく、webサイトで配信されている映像も簡単に取りこめることだ。例えば、国土交通省のHPサイト「川の防災情報」の映像も取り込み表示することができるほか、気象台や自治体等がYouTubeで配信していれば、その緊急会見の映像なども取り込むことができる。国土交通省「川の防災情報」などの映像を取り込むことで、IPカメラの設置コストをかけずに、安心安全を届けることができる。
単に河川映像を表示するだけではない。「LCT-1000」では、視認性と情報提供を重視したテンプレートを多数用意しており、導入ケーブル局に特化したオリジナル版も作成している(右記写真)。例えば、河川カメラの映像がどこかを分かりやすくするためマップ上に映像場所を表示することも可能だ。また、国土交通省の「川の防災情報」にて提供されている水位情報も同一画面上に表示できる。これにより、どのエリアが危険水位に達しているか、自宅そばの河川水位がどの程度まで達しているかが、テレビの大画面上で一目で分かる。また、取り込めるカメラ映像に上限はない。Webからの取り込み映像と自社もしくは自治体設置のネットワークカメラ映像を混合して提供することも可能だ。インターテックでは、10カ所以上の映像を取り込んだ際も複数のテンプレート画面を作成し、順番に表示することで対応している。 インターテックでは、今回紹介したシステム群のWeb上デモンストレーションを実施している。問い合わせは、インターテックHP( https://www.inter-tec.co.jp/index.html )まで。